ch8がだいすきな話とパシフィック展望台がエモい話

※題名以上のことは何も内容がないブログです


めせもあさんは、大きな階段をひとつのぼったんだなぁ、って。
数年前、手売りで入ったガラガラの会場が、立ち見で並ぶ景色を見てそう思った。


はじまりは、距離が近いアイドル、だった気がする。
アイドルって所謂大手グループと地下があって、大手グループのアイドルとオタクはほとんど関わることがない。例えば握手の3秒間とか。そんな感じ。彼ら彼女らは、語義通り「偶像」として存在していて、オタクも手の届かない存在のアイドルに憧れ、愛している。逆に、地下のアイドルは例えばアイドルに覚えてもらえるとか、個人的なことまでゆっくりお話できるとか、そんな人たちがステージではキラキラしている、二面性であったり努力の過程を楽しんでいるのかな、と思っていた。
めせもあ。は、いや、むすめん。は、間違いなく後者のグループだった。J事務所のようにお披露目が横浜アリーナだったりはしない。自分たちの手でビラを配って、声を上げて、小さな箱から前に進んできた人たちだ。
私はそれが魅力だと思っていた。小さなライブハウスで、表情まで見ることができて、一生懸命な熱をすぐ近くで感じられるから、このグループを応援したいと思った。だからこそ、このグループが大きくなってしまったら、手が届かない存在になってしまったら、応援できるのだろうか?その疑問はずっと私の胸の中にあった。

私のなかの1番のライブは、ずっと初めて見た47の滋賀公演だった。みんなの表情がよく見えて、至らないところがあっても狭くてうまく移動できなくても全力で、一生懸命だったから。私は、推しの表情が変わる瞬間が一番好きだったから。
なのに、なんでだろう。今回私が持っていたのは両部逆最前(最後列)のチケットだった。そんな後ろで見たことは、ツアーのファイナルくらいしかなかった。
なのに、ライブハウスですぐ近くで見ていたオーロラ曲技団も、ライブハウスや(最近だと)後列はガラガラでいつも10列以内だったDDPで見たぱじまじも、今回のステージの方がずっとキラキラして見えたんだ。表情なんて見えなかった、モニターはたまにくらいしか見なかった。それでも、キラキラ輝く小さな推しと、それを見守るたくさんのサイリウムが綺麗で綺麗で楽しくて仕方なかった。

あぁ、私は表情なんか見えなくたって、どんなに遠くて米粒サイズになったって、めせもあ。が、推しが好きなんだ。
やっとそう、自信を持って言えるようになったんだって気がついた。

小さな劇場で始まったAKBも、武道館に至るまで4年かかった。会いに行けるアイドルに、手が届かなくなっても応援してくれる人がつくまでに。冒頭に戻るなら地下寄りで、距離の近かったアイドルが、大手に引けを取らないくらいのアイドルになるまでには長い時間がかかるし、そこまでたどり着けないグループだってたくさんある。めせもあ。は、その段階まで登って来たんじゃないか、って。そう予感した1日だった。




パシフィック展望台を聞くたびに私は泣いてしまうし、そういう人はたくさんいると思うし、もっというとメンバーもそうだって言う。

最初の『てっぺん』、からもう泣いてしまいそうになる、泣かないけど。だって私は、とみたんはアイドル界の一番星になれる男だって思ってるから。歌もダンスもトークも性格も、そしてなにより表情が。私が推してきたアイドルは、天道輝も本田未央も一番星を目指していて、前田敦子高坂穂乃果も1番に拘ったアイドルだった。私は上を目指す姿に感動して応援したくなるタイプのオタク。
でもきっと、とみたけさんはてっぺんなんて目指してない、それだって知ってるよ。めせもあ。のみんなと一緒に登っていきたいだけだ、って言う。そんな彼が、みんなと一緒なら目指せる、って、嬉しそうに天を指して「てっぺん」って言ってくれるのが、私には幸せすぎるんだ。

そんな個人的な気持ちは置いておいたとしても、『ここに立てるのか不安で 目に見える約束もなくて』以降は本当にエモすぎて泣いてしまうし、ライブでも泣いてる人めっちゃいる!わかる!!って気持ちだった。

47はライブハウスだったこともあって目立たなかったし完売もでていたけれど、ホールツアーは、明らかに「空席が目立つ」ツアーだった。後ろ半分が空っぽの公演も、1部はそこそこいたのに2部になったらごそっと客の少なくなった公演も見た。「武道館を目指す」って宣言していたのに、ゴールデンウイークに始まるツアー最初の3日間を終えて、白服さんが「まずはNHKホールから」って言い出した時、私はすごく不安になったし、メンバーはもっと不安だったんだろうなって思う。初めてほぼ埋まったツアー終盤の関西の公演でメンバーが大喜びしていたのも思い出す。メンバーの欠けた公演が続いて、本当にいつまで続けてくれるんだろうって本気で心配したなぁ。
でも解散も卒業も怖かったけど、それよりも、私は自分がこのグループを応援できなくなるんじゃないかっていうのが一番怖かった。どんどん遠くなっていくメンバーに、自分が好きになったのはこんなグループじゃない、って思ってしまうんじゃないかって。好きなものを嫌いになることはたぶんとても辛くて、でも気の持ちようでなんとかできるものでもないんだろうな、っていなくなった友達を思う。私も新規の部類だけれど、Twitterをはじめた頃にできた友達はどれくらい残ってるだろう。たまにそんな彼女らに想いを馳せると、さみしくなる。

だからこそ、『前よりもっともっと君が近く見える』を泣かずに聞くことは、たぶんできないんだろうなって思う。この「君」はメンバーのことかな、って最初は思っていたけれど、そのあとに『今まで何を見てきたんだろう?何を知った気になってたんだろう?』って続くから、オタクに向けて言ってるんだろうなって解釈に至った。メンバーだったら、一緒に見てきた景色、って単語になる気がする。

大嘘だと思う。だって、前よりもっともっと遠くにステージがあるんだから。前より近くに見えるなんて、ウソ。なのに、その嘘があまりにも優しくて、あまりにも信じてしまえるから、寂しいよりここまで辿り着けた嬉しさで泣いてしまう。

昔はもっともっとたくさん話せたし、きっともっともっとお互いのことを知っていた。それこそ、日々の習慣とか明日の予定とか、私生活って呼べるもの。なのに、『何を知った気になってたんだろう?』っていう言葉はすごく重くて、どれだけ情報を交換してもそれはただの友達ごっこにすぎないんだって思い知らされる気がした。『何を見てきたんだろう?』は、自分たちに何を求めてきたんだろう、って捉えるのは皮肉すぎるかな。何を見て、今のめせもあ。さんと出会って、今のめせもあ。さんのステージを見るようになったんだろう、ってことかもしれない。見る、って動詞はとても意味が広いから、あまり対象は限定したくないなって思ってしまった。

どんなに相手のことを知ったつもりでも、私たちにとって彼らはアイドルで、彼らにとって私たちはオタクで、その両者が一番相手のことが分かりあえるのは、どんな近くで写真を撮ったり握手をしたりする時よりも、彼らがステージにいて私たちが客席にいて、彼らが音楽を奏でて私たちが受け取っている、その瞬間なのかもしれないな、って。
だから、今までで一番アイドルグループとして成熟していて、環境も実力も一番魅力的なステージングができるめせもあ。さんにとって、本当に私たちは『近くに見える』んだね。アイドルとオタクが一体となって会場に作り上げる空間や熱は、彼らの楽しい気持ちや悔しい気持ちを前より強く届けてくれて、きっと私たちの嬉しい気持ちや寂しい気持ちも届いているから、私たちはひとつの団体になれるんだって、ライブ会場の一番後ろで私は思った。この会場の一員になることができて本当に幸せだと思った。
初めてパシフィック展望台を聞いたとき、「団体」って単語にすごく違和感があったのに、今なら分かる気がする。団体の強さ、それが今めせもあ。にはある。

物理的に前より近くに見える、って思ってる人は、メンバーにもオタクにも誰一人としていないと思う。でもそれを肯定させるようなパフォーマンスの、思いの力が今のめせもあ。さんにはあって、それってすごくアイドルだなって。私は思う。どんなに遠くなってもそう言ってくれるなんて、とっても優しいグループだなって思う。


てっぺんの景色はどんな景色なんだろう?ライブ会場のてっぺんで見た景色は、バカみたいにライトが綺麗で、バカみたいに遠くで推しが歌ってる、バカみたいに広い空間に愛しさが満ちていた。地位や名誉を求める天辺じゃなくて、みんなが目指すてっぺんは、その場にいる人全員が幸せで前向きに進んでいける場所のことなのかもしれない。まだ見たことがないからわからないけど、てっぺんの景色の片鱗を私は大阪で見た気がします。
どんなに遠くなっても、どんなに小さくなってもいい。強がりじゃなくて、今なら自信を持ってそう言える気がする。私はてっぺんに立つめせもあ。さんを見てみたい、その空間に居合わせたい。

そう思わせてくれるのがパシフィック展望台で、今回のツアーなんじゃないか、って、私はそう思います。私以外にも今回のツアーでめちゃめちゃ心が動かされた人をたくさん見て、それは演目の企画をした人やいろんな技術さんの力もあるけれど、なによりめせもあ。さんの今の力なんじゃないかな。
もともとかなり強行な予定を組んでいたのに、追加してしまったよ。だって、もっともっと見ていたい、ひとときも目を離したくないって思うから。

これからツアーに行く人、死ぬほど期待してハードルを上げていって大丈夫です。行った人、すごく楽しかったね、みんな追加のチケット探してて分かりみしかない。行けない人も、もし動画になった暁にはぜひ見てください、きっと動画でも楽しいはず。

Twitterで誰かが言っていたかもしれないことを言います。私は初めて行った47の公演とセトリが大好きで、あれを超えるライブは二度とないと思ってたけど、超えました。本気で今までで一番、世界で一番楽しいツアーだと思います。

あと、パシフィック展望台ってエモい(完)